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AIエージェント・業務自動化

無料で使えるAIエージェントおすすめ7選|機能制限・商用利用・選び方を比較

「AIエージェント 無料」と検索すると、無料と書かれたツールが大量に出てきます。ところが実際に触ると、200回でクレジットが尽きたり、OpenAIのAPIキーを別途求められたり、セルフホストと書いてあるのにサーバー代が月数千円かかったりします。さらに厄介なのが商用利用で、オープンソースだから自由に使えると考えて顧客向けサービスに組み込んだ結果、ライセンス違反になるケースもあります。無料AIエージェントは、無料枠の大きさではなく、追加費用の発生源と商用利用の範囲で選ぶと失敗しません。

検討の初期に繰り返し出る疑問を7つに絞り、それぞれ1行の答えを添えました。判断の分かれ目になりやすい順に並べています。

無料AIエージェント選定でよく出る疑問と答え
疑問短い答え
本当に0円で使い続けられるのかツールの利用料は0円でも、モデルAPI・サーバー・外部SaaSの費用が別に発生します
無料枠はどのくらい使えるのか上限の単位がツールごとに違い、同じ「月400」でも実行回数は数分の一になります
無料プランでも商用利用できるのか社内利用は可の製品が多い一方、顧客提供と再販は別ライセンスが必要です
オープンソースなら自由に使えるのかOSI承認ライセンスではない製品があり、利用範囲が契約で限定されています
セルフホストと書いてあれば無料かソフトは無料でも、サーバー・監視・バックアップの費用と工数がかかります
クレジットを使い切ったらどうなるのか自分のAPIキーへ切り替えられる製品と、有料プランへの移行しかない製品に分かれます
無料版のまま本番運用できるのか上限到達時に停止する製品があり、SSOや監査ログも無料枠には含まれません

※ 2026年7月29日時点の各社公式情報にもとづきます。詳細は本文の該当章をご確認ください。

まず「無料」という表示が何を指しているのかを整理してから、個別のツールへ進みます。

本記事が対象にしたのは、恒久的な無料枠が存在するクラウドサービスと、無料でセルフホストできるソフトウェアです。「初月無料」「14日間無料」のように、無料トライアル期間だけの有料サービスは含めていません。

なおn8nは、クラウド版に恒久無料枠がなく14日間トライアルのみですが、セルフホストのCommunity Editionが恒久的に無料であるため対象に含めています。法人向け有料サービスの総合比較と受託開発会社は本記事の対象外です。自律的に長時間タスクを実行するタイプについては自律型AIエージェントツールの比較記事をご覧ください。

「無料」には4種類あり、費用の発生源が変わる

同じ「無料」でも、どの型に当たるかで実際にかかる費用がまったく変わります。読み進める前に、本記事で繰り返し出てくる用語を整理します。

GLOSSARY

この記事で使う用語

BYOK
Bring Your Own Keyの略。ツール側はモデルを提供せず、利用者が自分のLLM APIキーを設定して使う方式
セルフホスト
提供元のサーバーではなく、自社や個人が用意したサーバーへソフトを導入して動かす形態
アクティブフロー
有効化されて実際に動作している状態のワークフロー。停止中のものは数えない製品がある
アクティビティ
Zapier Agentsの課金単位。トリガー、アクション、Web検索などが1件ずつ数えられる
受信メッセージ・イベント
Botpressの課金単位。ユーザーの発言だけでなく、リアクションやタイムアウトも含む
ホワイトラベル
提供元のロゴや名称を外し、自社ブランドの製品として提供する形態

そのうえで、自分が検討しているツールがどの型に当たるのかを見分けてください。

無料の4分類と、実際に発生し得る費用
無料の種類内容実際に発生し得る費用
クラウド無料枠提供元のサーバーで動く。上限つきで恒久的に0円上限超過後の有料プラン、超過分のアドオン購入
セルフホスト無料版自分のサーバーにインストールして使うサーバー代、バックアップ、監視、運用工数
OSS無料版ソースコードが公開され、ライセンス条件下で利用できるモデルAPI、インフラ、保守、Enterprise機能の別料金
BYOK型ツールは無料だがLLMのAPIキーは自分で用意するOpenAIやAnthropicなどのトークン従量課金

※ 自社の条件で判断列を上書きしてお使いください。

表のとおり、費用が0円で収まる型は1つもありません。ほとんどのツールは複数の型を組み合わせており、たとえばDifyはクラウド無料枠とセルフホスト無料版とBYOKの3つが同時に成立します。

無料の4分類マップ。クラウド無料枠、セルフホスト無料版、OSS無料版、BYOK型と発生費用の関係図

そもそもAIエージェントが何をするものかを整理したい場合は、AIエージェントとは何かを解説した記事をご覧ください。

無料AIエージェントを選ぶ5つの基準

無料枠の大きさだけで選ぶと、後から困ります。次の5点を順番に確認すると、候補が2つ程度まで絞れます。

恒久無料か無料トライアルかを確認する

最初に切り分けるべきはここです。「Free」と書かれていても、14日で消える体験版と、上限つきで永続する無料枠はまったく別物になります。

たとえばn8nのクラウド版は14日間トライアルで、期間内にアップグレードしなければワークスペースが削除されます。ワークフローのダウンロードは終了後90日間可能です。一方、同じn8nでもセルフホストのCommunity Editionは期限なしで無料です。同じ製品名でも、提供形態で結論が変わります。

Zapier Agentsのように、料金ページへ明確に恒久無料と記載されているものは判断が容易です。

実行・会話・フローの上限を確認する

無料枠の単位は、ツールごとにバラバラです。この単位を読み違えると、想定の何分の一しか使えません。

ツール別に見た無料枠の上限の単位
ツール上限の単位
Difyメッセージクレジット、アプリ数、ナレッジ文書数
Activepiecesアクティブフロー数(実行回数は無制限)
Botpress受信メッセージ・イベント数、AI Spend(ドル)
Zapier Agentsアクティビティ数(1実行あたりの上限も別途あり)
Makeクレジット数、アクティブシナリオ数、実行間隔
Langflow上限なし(自前インフラの制約のみ)
n8n上限なし(Community Editionをセルフホストした場合)

※ 2026年7月29日時点。数値そのものは各ツールの章に記載しています。

表のうち、特に注意が必要なのはZapier Agentsです。1アクティビティは1回の実行を意味しません。トリガー発火、アクション実行、Web検索、Webブラウジングが、それぞれ1アクティビティとして数えられます。3ステップのエージェントなら1回動かすだけで3から4を消費するため、月400アクティビティは実質100回前後の実行にとどまる可能性があります。

無料枠の上限単位の対比図。フロー数、メッセージ数、アクティビティ、クレジットの数え方の違い

モデルAPI・サーバー等の追加費用を確認する

ツールが無料でも、AIが無料とは限りません。ここが最も見落とされる箇所です。

BYOK型のLangflowやn8n、セルフホスト全般では、OpenAIなどのAPIキーを自分で用意し、トークンの従量課金を自分で負担します。提供元クレジット型のDify、Make、Botpress、Activepiecesのクラウド版では、一定量までは提供元のクレジットで賄えます。

注意したいのは、クレジットを使い切った後の選択肢がツールごとに違う点です。Difyは使い切った後に自分のAPIキーへ切り替えられると公式に明記しています。一方Makeは、自分のキーを使うカスタムAIプロバイダーが有料プラン限定のため、無料プランではクレジットの追加購入か上位プランへの移行になります。

セルフホストの場合はさらにサーバー代が乗ります。Langflowの公式ドキュメントは最低要件をデュアルコアCPU・メモリ2GB、推奨をマルチコアCPU・メモリ4GB以上としています。この規模のVPSは月1,000円から3,000円程度が目安です。

社内利用・顧客提供・ホワイトラベルを分ける

「商用利用可」という一言を、すべての利用形態へ広げてはいけません。実務では少なくとも4つに分ける必要があります。

FEATURES

商用利用の4つの形態

社内業務で使う

自社の従業員だけが使う。今回の7ツールでは最も制限が緩い領域

顧客向けの成果物を作る

納品物はツールに依存しない。社内利用の延長として扱えることが多い

顧客向けサービスへ組み込む

ツール自体を顧客が触る構成。追加ライセンスが必要になりやすい

ホワイトラベルで提供する

ロゴを外して自社ブランドで提供・再販する。ほぼ全ツールで有料または要許可

n8nを例にすると、1番目は明確に可、4番目は明確に不可でEmbedライセンスが必要です。Difyも、セルフホストして複数ワークスペースを運用する形態は書面での許可が必要とされています。

有料版・他製品へ移行できるか確認する

無料で作ったものを次の段階へ持っていけるかどうかを、最初に見ておくと後が楽になります。

ソースが公開されたソフトをセルフホストしている場合は、同じソフトのままスペックを上げるだけなので移行はスムーズです。一方、クラウド専用サービスで作り込んだフローは、他製品へエクスポートできないケースがあります。

無料AIエージェント7選の比較表

7ツールを同じ軸で並べました。掲載順は総合的な優劣ではなく、ノーコードのクラウド型、セルフホスト型、会話型・業務自動化型という並びです。

無料AIエージェント7選の比較
ツール無料の種類無料上限別途かかる費用商用利用の要点向く用途
Difyクラウド枠+セルフホスト200メッセージクレジット/5アプリ/50ナレッジ文書/1メンバークレジット消費後のモデルAPI、サーバーマルチテナント運用とロゴ削除は要商用ライセンスRAG・社内FAQ・検証
Activepiecesクラウド枠+OSSアクティブフロー10個/実行回数は無制限11個目以降は1フロー月5米ドル、AIクレジット、サーバーコアはMIT。Embedとホワイトラベルは有料多数のSaaS連携
LangflowOSS・セルフホスト制限なし(自前インフラ)LLM API、ベクトルDB、サーバー、運用MITライセンス上は可開発者のエージェント試作
n8nソース公開・セルフホスト制限なし(自前インフラ)サーバー、モデルAPI、保守、Enterprise機能社内利用は可。顧客向け提供と再販は別ライセンス社内ワークフロー自動化
Botpressクラウド枠従量課金で無料開始。AI Spend月5米ドル分が無料付与上限引き上げアドオン、AI Spendの実費規約の確認が必要Web接客・サポート
Zapier Agentsクラウド枠月400アクティビティ(1実行あたり10まで)超過時の有料プラン、接続アプリの契約再販と他者向けホスティングは規約で禁止情報収集・通知・軽量実行
Make AI Agentsクラウド枠月1,000クレジット/アクティブシナリオ2/実行間隔15分AIトークン分の追加クレジット、BYOKは有料プランオープンベータ。規約の確認が必要複数アプリの業務フロー

※ 2026年7月29日時点の各社公式情報にもとづきます。判断列は自社の条件で上書きしてお使いください。掲載順はランキングではありません。

表から読み取れる傾向は3つあります。第一に、上限が「なし」なのはセルフホスト型の2つだけで、その代わり費用がインフラへ移ります。第二に、別途費用の欄が空欄になるツールは1つもありません。第三に、商用利用の条件が厳しくなるのは、顧客向け提供とホワイトラベルの領域です。

無料枠で何ができて何ができないのかを、先に整理しておきます。

無料枠で実現できること

  • 1つの業務でAIエージェントが有効かを確かめる
  • ツールごとの設計思想と操作感を比較する
  • 1回の実行でどれだけ消費するかを実測する
  • 社内向けの補助的な処理を継続して回す

無料枠のままでは扱えないこと

  • 上限到達時に停止しては困る顧客対応
  • SSO、監査ログ、権限管理を要する運用
  • データ処理契約を前提とした機密情報の取り扱い
  • 顧客への提供や再販を伴う商用サービス

掲載を見送ったツールについて

比較記事でよく紹介されるツールのうち、Flowiseは今回の7選から外しました。

Flowiseは2026年7月27日にサービス終了を公式発表しており、公式ページによれば同年8月10日にGitHubリポジトリがアーカイブ化され、8月31日に公式サポートが終了します。Apache 2.0のコードは自由に使い続けられるとアナウンスされているためフォークしての利用は可能ですが、クラウド版の停止日は本記事の確認日時点で告知されていません。これから新規に学習や構築を始める対象としては推奨しにくいため、掲載を見送りました。

代わりに、クラウド無料枠とOSSセルフホストの両方を持ち、無料枠でAIエージェント機能が使えるActivepiecesを採用しています。

Dify|無料Sandboxとセルフホストを選べる

クラウドとセルフホストの両方に無料の入口があるため、まずクラウドで試して本格化したら自社サーバーへ移す進め方ができます。ノーコード画面でAIアプリとエージェントを構築するプラットフォームで、RAG、社内FAQ、簡易エージェントの検証に向きます。

クラウド無料枠でエージェントとRAGを試せる

公式料金ページに記載されているSandboxプランの内容は次のとおりです。

DifyのSandboxプラン(無料)の上限
項目Sandbox(無料)
メッセージクレジット200
チームワークスペース1
チームメンバー1
アプリ数5
ナレッジ文書数50
ナレッジデータストレージ50MB
ナレッジリクエスト10回/分
トリガーイベント3,000
ワークフローあたりトリガー最大2
ログ保持期間30日
APIレート制限5,000/月

※ 2026年7月29日に公式料金ページで確認した内容です。

公式はこのプランを、Difyのコア機能を試すためのものと位置づけています。本番運用向けの無料プランではありません。

なお、Sandboxの200クレジットが毎月リセットされるのか初回限りなのかは、公式料金ページ上で明示されていませんでした。ProfessionalプランとTeamプランには月あたりを示す表記がありますが、Sandboxにはありません。この点は登録時に実際の請求画面でご確認ください。

有料プランは、Professionalが1ワークスペースあたり年額590米ドルで月5,000クレジット・3メンバー・50アプリ、Teamが年額1,590米ドルで月10,000クレジット・50メンバー・200アプリという構成です。

無料クレジット消費後は自分のAPIキーを利用できる

Difyのメッセージクレジットは、OpenAI、Anthropic、Gemini、xAI、DeepSeek、Tongyiなど複数のモデルを試すために提供されるものです。公式料金ページには、使い切った後に自分のAPIキーへ切り替えられる旨が明記されています。

つまり200クレジットを消費した後も、自分でAPIキーを設定すれば無料プランのまま使い続けられます。ただしその時点から、トークンの従量課金は自分の負担になります。アプリ5つ、ナレッジ50文書といった他の上限は変わりません。

セルフホストのCommunity Editionも無料で、Docker Composeで構築できます。こちらはシングルワークスペース構成です。

商用SaaS・ロゴ変更はライセンス条件を確認する

DifyのライセンスはApache License 2.0の改変版で、2つの追加条件が付きます。GitHubのLICENSEファイルに記載されている内容を整理すると次のようになります。

Difyライセンスの2つの追加条件

  1. マルチテナントサービス:書面での明示的な許可がない限り、Difyのソースコードをマルチテナント環境の運用に使用できない。ここでのテナントは1ワークスペースと定義されている
  2. ロゴと著作権表示:Difyのフロントエンドを使用する場合、コンソールやアプリケーション内のロゴ・著作権表示を削除または変更できない

一方でLICENSEの冒頭には、Difyを他アプリのバックエンドサービスとして、また企業のアプリ開発プラットフォームとして商用利用できる旨も記載されています。

整理すると、社内でDifyを立てて業務に使うこと、自社アプリのバックエンドとして使うことは許可されています。複数テナントに分けて外部へ提供する場合と、ロゴを外して自社ブランドで提供する場合は、LangGenius社から商用ライセンスを取得する必要があります。

Activepieces|アクティブフロー10個まで無料のOSS

無料枠の設計が、他の6ツールと根本的に違います。ZapierやMakeが実行回数やクレジットで課金するのに対し、Activepiecesは動かしているフローの数で課金します。フロー数さえ10個以内に収まっていれば、何回実行しても無料枠のままです。

実行回数が無制限の無料枠

公式料金ページのStandardプランには、価格が無料で、それ以降は1アクティブフローあたり月5米ドルと記載されています。無料枠に含まれるのは、アクティブフロー10個、実行回数無制限、AIエージェント、MCPサーバー無制限、テーブル無制限、コミュニティサポートです。

頻繁に走る定型処理を試すには相性がよい設計です。11個目以降のフローは1つあたり月5米ドルで、上位はUltimateプランとなり、年間契約のカスタム価格でSSO、監査ログ、カスタムRBACなどが含まれます。

なお、公式ページに恒久無料を示す明示的な文言はありませんでした。トライアル期限の記載もないため構造上は継続的な無料枠と読めますが、本記事では断定を避けます。

無料枠でAIエージェントとMCPが使える

Activepiecesの無料枠には、機能面での大きな制限がありません。公式料金ページのStandardプランに、AIエージェントとMCPサーバー無制限が明記されています。

MCPサーバー機能は、Cursor、Claude Desktop、Windsurf、Claude.aiなどのAIアシスタントから、自然言語でフローの構築、テーブル操作、自動化のテストを行えるものです。公式ドキュメント上、この機能にプラン制限の記述はありません。

セルフホストのCommunity Editionは無料で、ライセンスキーも不要です。公式ドキュメントは、Community Editionが無料かつオープンソースであり、フローを構築して実行するためのすべての機能を制限なく備えていると説明しています。

ただし公式サイトの表現ではコア機能のみとされており、SSO、監査ログ、Git Sync、プライベートピース、カスタムブランディング、カスタムドメイン、複数プロジェクトなどはEnterprise側の機能です。

ライセンスは「MIT+一部商用」のオープンコア型

ここは比較サイトでよく誤記される箇所です。Activepieces=MITライセンスと単純に書くのは正確ではありません。

GitHubのルートLICENSEによると、packages/ee 配下および packages/server/api/src/app/ee 配下のみがEnterpriseライセンスで、それ以外がMIT Expatという構成です。Enterpriseライセンス側には、正しいユーザーシート数のEnterpriseライセンスを持つ場合にのみ本番利用できるという制限があります。開発とテストの目的であればサブスクリプションなしで複製と改変ができますが、複製、結合、公開、配布、サブライセンス、販売は禁止されています。

MIT部分については、再販やサブライセンスを含む商用利用が許諾されています。条件は著作権表示とライセンス文の同梱です。一方、Embedとホワイトラベルの機能は有料エディション向けと公式ドキュメントに明記されており、価格は公開されていません。

別途かかる費用は2つあります。クラウド版のAIクレジットは1米ドルあたり1,000クレジットの従量制で、無料プランへの付与数は公式に非公開です。セルフホストの場合は自前のAPIキーが必須で、管理画面からOpenAI、Anthropic、Gemini、Vercel AI Gateway、Cloudflare AI Gatewayを設定します。

本記事では、AIクレジットの無料付与数を掲載していません。公式で確認できなかったためです。また「タスク数まで無料」という表現も使っていません。現行はアクティブフロー数による課金であり、旧情報を掲載している二次サイトが多数あります。

Langflow|MITライセンスの無料ローコード基盤

ソフトウェア自体は完全にオープンソースで、追加の制限条項がありません。ノードをドラッグアンドドロップでつないでLLMアプリケーションを組み立てるローコード基盤で、開発者のエージェント試作、MCP、RAG、独自コンポーネント開発に向きます。

デスクトップまたはセルフホストで無料利用できる

無料で使える形態は2つです。

ひとつはOSSのセルフホストです。Pythonパッケージとして導入する方法と、Docker公式イメージを使う方法があり、対応するPythonは3.10から3.14です。必要スペックは公式ドキュメントで、最低がデュアルコアCPU・メモリ2GB、推奨がマルチコアCPU・メモリ4GB以上とされています。

もうひとつはLangflow Desktopです。macOS 13以降とWindowsに対応し、公式サイトのデスクトップ配布ページで氏名などのフォームを入力するとダウンロードリンクが提供されます。Shareable PlaygroundとVoice Modeはデスクトップ版では利用できないと明記されています。Windowsではインストール時にC++コンパイラが必要になる場合があります。

最新バージョンは1.11で、2026年7月22日にリリースされています。

なお、Langflowの無料クラウド版については注意が必要です。DataStaxが提供していた無料ホスト版Langflowは、Astra DB Serverlessのリリースノート(2026年4月9日付)で削除が告知され、公式の代替案としてセルフホストのLangflow OSSが案内されています。現在IBMの製品ページに記載されているIBM Langflow CloudはPrivate Preview段階で、価格と無料枠は公表されていません。料金ページ自体も存在しない状態です。

本記事の確認日時点で、誰でもすぐ登録できる公開された無料クラウド枠は公式ドキュメント上で確認できませんでした。無料で使いたい場合は、セルフホストかデスクトップ版を選んでください。

主要LLM・ベクトルDB・MCPへ接続できる

Langflowはバンドルという形で外部サービスと接続します。公式ドキュメントに列挙されているモデルは、OpenAI、Anthropic、Google、Azure、Cohere、Mistral AI、Groq、LiteLLMなどです。ベクトルデータベースは、Pinecone、Weaviate、Qdrant、Chroma、MongoDB、Supabase、DataStaxなどが挙げられています。

公式クイックスタートの前提条件にはOpenAI APIキーの作成が含まれています。LangflowはあくまでLLMを接続する基盤であり、モデル自体は提供しません。

モデルAPIと本番運用は別途費用が必要

Langflowで発生する費用を整理すると次のようになります。

Langflowで発生する費目
費目内容
Langflow本体無料(MITライセンス)
LLM APIOpenAIなどへの従量課金。自己負担
ベクトルDB使用するサービスの料金
サーバーセルフホスト時のVPSまたはクラウド費用
運用保守アップデート、バックアップ、監視の工数

※ ソフトウェアが無料であることと、インフラが無料であることは別です。

表のとおり、無料なのは本体だけです。VPSの費用は月1,000円から3,000円程度が目安になります。

ライセンスはMIT Licenseで、追加の制限条項はありません。利用、複製、改変、結合、公開、配布、サブライセンス、販売が許諾され、義務は著作権表示とライセンス文の同梱のみです。MIT Licenseの条文上は、この条件を満たす限り再販とサブライセンスを含む商用利用が許諾されており、別途の商用ライセンス購入を求める条項は本記事の確認時点で見当たりませんでした。

ただしMITはコードの許諾であり、商標は別扱いです。Langflowという名称やロゴを自社サービス名に使う場合は、別途の確認が必要になります。接続先のOpenAIなどの規約も、それぞれの提供元に従います。

企業向けにはIBMによる有償サポートがありますが、これは商用利用の必須要件ではありません。

n8n|社内業務向け無料セルフホスト版

クラウド版に恒久無料枠はありません。無料で恒久的に使えるのはセルフホストのCommunity Editionです。400以上のサービスをつないでワークフローを自動化するツールで、AI Agentノードを備えており、定型処理とAI処理を1つのフローに混在させられます。

無料セルフホストで社内ワークフローを作れる

クラウド版は14日間のトライアルのみです。Proプラン相当の機能に実行1,000回の上限が付き、Starterプラン相当の計算リソースが割り当てられます。トライアル終了までにアップグレードしないとワークスペースは削除されます。ワークフローのダウンロードは終了後90日間可能です。

セルフホストのCommunity Editionでは、ワークフローの作成と実行、ログ、キューモードなどコア機能がほぼすべて含まれます。利用できない機能は次のとおりで、これらはEnterpriseなどの契約が必要です。

Community Editionで利用できない機能

  • Custom Variables
  • Environments(環境分離)
  • External secrets
  • External storage for binary data
  • Log streaming
  • Multi-main mode
  • Projects
  • SSO(SAML、LDAP)
  • Sharing(ワークフローと認証情報の共有)
  • Gitによるバージョン管理

さらに、メールアドレスで無償登録するRegistered Community editionにすると、期限なしでFolders、Debug in editor、Custom execution dataの3つが追加されます。順に、ワークフローのフォルダ整理、実行データのコピーとピン留め、実行メタデータの保存と検索と注釈という機能です。

無料枠を超えた場合の直近の移行先は、クラウドのStarterプランで年払い時に月20ユーロです。

AIエージェントと多数のSaaSを連携できる

AI AgentノードおよびLangChain系ノードは、無料のCommunity Editionで利用できます。前掲のEnterprise限定機能にAI関連は一切含まれておらず、AI Agentノードの公式ドキュメントにもプラン制限の記述はありません。

ただし混同しやすい点として、ワークフロー内で動くAI Agentノードと、エディタ上でワークフロー作成を支援するAI Assistantは別の機能です。後者はクレジット制でクラウド側の機能である可能性が高く、セルフホストでの可否は公式ドキュメントで確認できませんでした。

当然ながら、AI Agentノードが無料でもOpenAIやAnthropicのAPI利用料は自己負担です。

外部顧客向け提供はSustainable Use Licenseを確認する

n8nのライセンスはSustainable Use License, Version 1.0です。OSI承認のオープンソースライセンスではないため、オープンソースという表現は正確ではありません。GitHubのLICENSE.mdに記載された制限は3つで、利用と改変は自社の内部業務目的または非商用・個人利用に限られること、配布や提供は非商用目的で無償の場合に限られること、ライセンスや著作権の表示を変更・削除・不明瞭にできないことです。

公式ドキュメントは内部業務目的を、価値が全面的または実質的にn8nの機能に由来する製品・サービス・モジュールを販売する場合を除き、すべての利用が許可されると解釈しています。

公式FAQが挙げる許可される例

  • 自社が管理するデータの同期(CRMから社内DBへ等)
  • 自社製品向けのn8nノードや連携の作成
  • 社内サーバーでのn8nのセットアップと保守

公式FAQが挙げる許可されない例

  • n8nをホワイトラベル化して顧客へ有償提供する
  • n8nをホスティングし、アクセスに対して課金する

さらに公式サポートページは、事業形態ごとに必要なライセンスを整理しています。

事業形態別に必要なn8nのライセンス
事業形態必要なライセンス
顧客が自前のn8nインスタンスを立てるのを支援するだけ商用ライセンス不要
自社インスタンスで顧客のワークフロー・認証情報を管理するEnterpriseライセンス
自社製品にn8nを組み込み、顧客にワークフローを露出するホワイトラベルEmbedライセンス

※ 2026年7月29日時点の公式サポートページにもとづきます。判断は自社の形態に照らしてください。

アプリのバックエンドとしての利用可否は、判断基準が明確です。公式は、エンドユーザー自身の認証情報を収集してそのユーザーのデータにアクセスする構成を不可とし、自社の認証情報を使いユーザーはクエリを入力するだけの構成を可としています。

なお、ファイル名にピリオドで挟んだ ee を含むファイルはn8n Enterprise Licenseが適用され、Sustainable Use Licenseの対象外です。

Botpress|無料で始められるAIエージェント基盤

会話型AIエージェントの構築に特化したプラットフォームで、Webチャットの埋め込みが標準機能として用意されています。Web接客、FAQ、カスタマーサポート用エージェントの試作に向きます。

顧客対応エージェントを無料で試作できる

現行のプラン構成は、従量課金、Plus、Team、Enterpriseの4つです。かつてのFree planという名称のプランは、現在の公式ページに存在しません。

公式料金ページは従量課金プランを、趣味の開発者や個人開発者、AIチャットボットを試し始めた方に向けた出発点と説明しており、費用をかけずに構築と実験ができるとしています。公式アカデミーにも、すべてのワークスペースが既定で従量課金のサブスクリプションであり、開始時点では完全に無料であると記載されています。

なお、1アカウントで作成できるワークスペース数に制限はないと公式に明記されています。

課金単位は「会話数」ではなく「メッセージ・イベント数」

ここがBotpressで誤解されやすい点です。公式ドキュメントによると、受信メッセージ・イベントのクォータは、エージェントがいずれかのチャネルで呼び出された回数と、応答を停止するまでに呼び出せる最大回数を決めるものです。新規の会話、タイムアウト後に再開された会話、トリガーによって開始された会話が含まれます。

公式アカデミーはさらに広く定義しており、ボットに応答や動作をさせるあらゆる操作が対象だとしています。ユーザーのメッセージだけでなく、メッセージへのリアクション追加、ボットを開くプロアクティブなトリガー、セッションのタイムアウトも数えられます。一方で、ボットの応答、コード実行、フロー遷移はカウントされません。

プラン単位で管理されるクォータは8種類あります。

Botpressで管理される8つのクォータ

  • AI Spend
  • File Storage
  • Table Rows
  • Vector DB Storage
  • Incoming Messages & Events
  • Collaborators
  • Bot Count
  • Always Alive

上限に達するとボットは応答を停止します。上限を引き上げるにはアドオンを購入する形式で、使用量は毎月1日にリセットされます。Auto Rechargeを設定すれば、上限到達時に自動でプランを調整して停止を回避できます。使用量が閾値に近づくとメール通知が届きますが、通知のタイミングは公式ドキュメントで75パーセント、公式アカデミーで80パーセントと記述が分かれています。

AI Spendは実費で月5米ドル分が無料

BotpressのAI費用は独立したクォータになっており、他ツールと比べても設計が明快です。

BotpressのAI Spendの条件
項目内容
無料付与月5米ドル分のAIクレジット
従量課金プランでの上限100米ドルを超えられない
課金方式マークアップなしの実費
請求タイミング使用量ベースの課金は請求期間の末尾にまとめて請求

※ 2026年7月29日時点の公式ドキュメントにもとづきます。

表のとおり、マークアップなしの実費という点は他ツールにない特徴です。ただし5米ドル分でどれだけ動かせるかはモデルとトークン量次第なので、実運用の試算は自分で行う必要があります。

外部公開・ブランド表示・データ利用条件を確認する

Webサイトへの埋め込みは公式にサポートされた標準機能で、Webchatの設定やReactライブラリのドキュメントが用意されています。

ブランド表示について公式ドキュメントで確認できたのは1点で、ボット用のカスタムフッターにはPlusプランが必要という記述です。つまり、Webチャット下部のフッターを差し替えるにはPlusプラン以上が求められます。ただしカスタムフッターへの差し替えがBotpress表記の完全な削除と等価かどうかは公式に明記されていないため、本記事では断定を避けます。

なお、Botpressの利用規約本文は本記事の調査時点でサーバー側のアクセス制限により取得できませんでした。無料枠での商用利用の明示的な可否、再販や代理店利用の可否については、公式の利用規約を直接ご確認ください。

無料枠を高トラフィックの本番運用へ充てる構成はおすすめしません。上限到達時にボットが停止するため、顧客対応の本番用途では有料プランが前提になります。

Zapier Agents|月400アクティビティまで無料

Zapierの膨大なアプリ連携をAIエージェントから使えるようにしたサービスで、既存のZapierアカウントでそのまま始められます。情報収集、通知、営業補助、SaaS間の軽量な業務実行に向きます。

恒久無料枠で多数のSaaSと接続できる

公式料金ページの記載は次のとおりです。

Zapier Agentsのプランと上限
プラン価格月間アクティビティ1実行あたり上限
Agents Free恒久無料40010
Agents Pro年払い400米ドル(月換算33.33米ドル)1,50040
Agents Enterprise要問い合わせカスタム40

※ 2026年7月29日に公式料金ページで確認した内容です。

無料プランで使える機能として、料金ページにはライブデータソース、Webブラウジング、Chrome拡張からのエージェント操作が明記されています。

ナレッジソースとして、CSV、PDF、ODT、PPTX、DOCX、TXTのファイル(最大100MB)や、Airtable、Google Drive、Notion、HubSpot、Jira、Zendeskなどのアプリを接続できます。アカウント全体で同期できるのは最大75,000行またはレコードです。この上限がプランによって異なるかは、公式に区別の記載がありませんでした。

エージェント全般には1日500メッセージのレート制限があります。作成できるエージェント数の上限は、公式ページとヘルプのいずれにも記載がありませんでした。

「アクティビティ」の数え方が実質的な上限を決める

月400アクティビティは、月400回の実行ではありません。公式ヘルプは、次の各項目をそれぞれ1アクティビティとして定義しています。

1アクティビティとして数えられる操作

  • エージェントがトリガーを使用する
  • エージェントがナレッジソースを使って回答する
  • エージェントがアクションを実行する
  • エージェントがWebブラウジングやスクレイピングを行う
  • エージェントがWeb検索を行う
  • Chrome拡張からエージェントにメッセージを送る

だからこそ、無料プランには1実行あたり10アクティビティまでという上限が別途設けられています。トリガーからWeb検索、アクション実行と進む3ステップのエージェントなら、1回動かすだけで3から4を消費します。実質的な実行回数は月100回前後と見積もっておくのが安全です。

さらに無料プラン固有の制約として、テスト実行も月間アクティビティに加算されます。有料プランではエージェントのテストがアクティビティに数えられないとされており、ここが無料プランと有料プランの実用上の最大の差です。開発中の試行錯誤で枠を消費してしまう点にご注意ください。

Zap taskとagent activityは別枠

Zapier本体のタスクとAgentsのアクティビティは、完全に別のクォータです。公式ヘルプは、アクティビティの使用がZapierのタスク使用量に影響しないこと、およびAgentsの使用がタスクとして数えられず別のアクティビティ枠を使うことを、双方向に明記しています。

参考までに、Zapier本体のFreeプランは月100タスク・2ステップZapまでです。タスクは成功したアクションのみが数えられ、トリガーステップ、Filter、Paths、エラーで停止したアクション、Formatterなどのユーティリティは数えられません。

なお、エージェントがZapを呼び出した場合にアクティビティとタスクの両方を消費するかは、公式に明示されていませんでした。

商用利用は再販禁止条項に注意する

Zapierの利用規約には、サービスの全部または一部を販売、サブライセンス、配布、譲渡、貸与すること、非ユーザーにサービスへのアクセスを付与すること、サービスを使って他者にホスト型またはマネージド型のサービスを提供することを禁じる条項があります。

Make AI Agents|月1,000クレジットの無料枠

3,000以上のアプリをつなぐビジュアル自動化プラットフォームに、AIエージェント機能が追加されたものです。複数アプリをまたぐ業務自動化、分類、調査、通知に向きます。

課金単位は「クレジット」に変更済み

前提として、Makeの課金単位は2025年8月27日にoperationsからcreditsへ変更されています。既存のoperationsは1対1の比率でクレジットへ自動換算されました。ただしoperationsという語自体は個々のモジュール実行を指す概念として残っており、公式ドキュメントでも1オペレーションあたり1クレジットのように併用されています。他サイトで「オペレーションまで無料」と書かれている場合、単位名が古い可能性があります。

公式料金ページのFreeプランは次のとおりです。

MakeのFreeプランの上限
項目Free
価格月額0米ドル
クレジット1,000クレジット/月
アクティブシナリオ数2
最小実行間隔15分
最大実行時間5分
データ転送量512MB
ファイルサイズ上限5MB
対応アプリ3,000以上

※ 2026年7月29日に公式料金ページで確認した内容です。

表のうち、最小実行間隔15分は見落とされがちですが重要です。リアルタイム性が求められる用途は、無料プランでは成立しません。

無料枠を超えた場合の移行先は、有料の最低プランであるCoreで、10,000クレジット時に月12米ドルです。年払いには15パーセント以上の割引があります。なおこの価格は10,000クレジット時点のものであり、クレジット数を増やすと価格も上がる従量制です。

AI Agentsは全プランで使えるがオープンベータ

公式ヘルプの記載は明快で、MakeのAIプロバイダーを使う限り、Freeプランを含む全プランでAI Agentsが利用できます。自分のLLM APIキーを接続するカスタムAIプロバイダーは、有料プラン限定です。

ただし、この機能は現在もオープンベータです。公式ヘルプには一貫して、ベータ機能であり製品の機能と価格の両方が変更される可能性があるという注意書きが添えられています。現行世代はMake AI Agent (New)という後継アプリで、2026年2月2日にリリースされました。これもオープンベータ扱いです。

Makeの利用規約の第11条はベータ機能について別途の合意に従うとしており、附属書Aの定義では、ベータと明示された機能を一般提供前、すなわち本番非推奨に分類しています。

1アクションが1クレジットとは限らない

Makeのクレジット消費は、MakeのAIプロバイダーを使うかどうかで大きく変わります。公式は前者をDynamic、後者をFixedと分類しています。

AIプロバイダー別に見たクレジット消費
機能Makeのプロバイダー使用時(全プラン)カスタムプロバイダー使用時(有料プランのみ)
Run an agent1クレジット/オペレーション+AIトークンに応じたクレジット1クレジット/オペレーション
Chat1クレジット/オペレーション+呼び出されたツールごとに1クレジット+トークン分1クレジット/オペレーション+ツールごとに1クレジット
Knowledge1クレジット/オペレーション+1ページあたり10トークン+トークン分1クレジット/オペレーション+embeddingトークン
Tools1クレジット/オペレーション+トークン分1クレジット/オペレーション

※ 2026年7月29日時点の公式ドキュメントにもとづきます。

表の右列が固定的なのに対し、左列にはトークン分の変動が加わります。Make自身も、operationsからcreditsへの移行時に、Makeのプロバイダー利用時はクレジット消費が増える可能性があると告知しています。

ここで実務上の問題が1つあります。トークンからクレジットへの換算レートが公式に公開されていません。AIトークンに基づくクレジットという定性的な記述のみで、モデル別の単価表も見つかりませんでした。つまり、月1,000クレジットでAIエージェントを何回実行できるかを事前に見積もれません。実際に動かしながら請求画面で消費を確認する進め方になります。

自分のAPIキーを持ち込む方式には費用面の利点もあります。カスタムプロバイダー使用時はMake側の消費が固定になり、トークン分の動的消費が発生しません。LLMの費用は自分のAPI側で直接負担する形です。この方式を使いたい場合、最低ラインは月12米ドルのCoreプランになります。

なお、Makeの規約の最終更新は2023年8月で、生成AIに関する専用条項は本文中に見当たりませんでした。学習データ利用の可否、入力データの取り扱い、AI出力の権利帰属などを規約レベルで確認したい場合は、Makeへ直接照会することをおすすめします。

用途別に無料AIエージェントを選ぶ

7ツールを用途から逆引きすると次のようになります。迷ったら、ここから2つ選んで同じ業務で試してください。

用途別に見た第一候補
用途候補選ぶ理由
ノーコードでRAG・社内FAQを作りたいDifyナレッジ登録からアプリ公開まで無料枠で完結する
実行回数を気にせず定型処理を回したいActivepieces無料枠が実行回数無制限(アクティブフロー10個まで)
開発者が独自コンポーネントを組みたいLangflowMITライセンスで制限なくセルフホストできる
社内SaaS業務を自動化したいn8n社内利用が公式に許可された無料セルフホスト
Web接客・カスタマーサポートを作りたいBotpress会話型に特化し、AI費用は実費のみ
情報収集や通知を軽く自動化したいZapier Agents恒久無料枠があり、既存のZapier連携をそのまま使える
複数アプリをまたぐ業務フローを組みたいMake AI Agents全プランでAIエージェントが使えるがオープンベータ

※ 2026年7月29日時点。自社の条件で候補列を上書きしてお使いください。

表のとおり、無料枠の性質が用途と噛み合うかどうかで候補が決まります。実行回数の多い処理にクレジット課金のツールを選ぶと、初月で枠を使い切ります。

別記事へ進んだほうがよいケース

無料ツールの検証より先に、別の選択肢を見たほうが早い場合があります。本番でSSO、監査ログ、SLAが必要な場合は、無料枠では対応できません。法人向けAIエージェントサービスの比較記事をご確認ください。

独自システムとの連携が複雑な場合は、ノーコードツールの範囲を超えます。AIエージェント開発会社の探し方をまとめた記事が候補になります。自律的に長時間タスクを実行させたい場合は本記事の対象外です。

無料でも発生する追加費用

月額0円から総所有コストへ視点を切り替えます。無料ツールで実際に発生する費用は、大きく4種類に分かれます。

モデル・API利用料

金額が大きく、かつ見落とされやすい費目です。

BYOK型のLangflow、n8n、セルフホスト全般、Activepiecesのセルフホストでは、最初からOpenAIなどの従量課金が発生します。提供元クレジット型のDify、Make、Botpress、Activepiecesのクラウド版では、一定量までが無料枠に含まれます。

使い切った後の扱いはツールごとに異なります。Difyは自分のAPIキーへの切り替えが公式に案内されている一方、Makeは自分のキーの利用が有料プラン限定です。

課金の透明度にも差があります。Botpressはマークアップなしの実費と明記していますが、Makeはトークンに応じたクレジットとしか記載しておらず、換算レートが非公開です。事前に費用を読みたい場合は、BYOK型のほうが計算しやすくなります。

セルフホストのサーバー・バックアップ費

セルフホストはソフトが無料なだけで、インフラは有料です。

セルフホストで発生する費目
費目内容
サーバーVPSまたはクラウドインスタンス。マルチコアCPU・メモリ4GB以上なら月1,000円から3,000円が目安
データベースPostgreSQLやRedisなど(ツールにより必須)
ストレージログ、ナレッジデータ、添付ファイル
バックアップスナップショット、外部保存
SSL・ドメイン外部公開する場合

※ ツールによって必須かどうかが変わります。

表のとおり、月額が完全に0円になる構成は現実的ではありません。既存サーバーに相乗りできる場合を除き、月数千円は見込んでください。

セルフホストを選ぶ利点

  • ツール側の実行回数やクレジットの上限がない
  • 投入するデータを自社の管理下に置ける
  • 使用するモデルを自由に選べる
  • 上位プランの機能制限に縛られない

セルフホストで負う負担

  • サーバー、データベース、バックアップの費用が毎月かかる
  • アップデート追従と障害対応の担当者が必要になる
  • SSOや監査ログはEnterprise契約が別途必要な製品が多い
  • 構築と運用の工数が月額料金より高くつく場合がある

外部SaaS・メール・データベース費

エージェントが呼び出す先にも費用が発生します。Zapier Agentsでプレミアムアプリを使う場合、Makeで高頻度に外部APIを呼ぶ場合、メール配信サービスを使う場合などです。無料ツールと有料SaaSを組み合わせる構成は珍しくありません。

構築・監視・障害対応の人件費

金額が大きいのに、計上されにくい費目です。セルフホストなら、アップデートへの追従、障害対応、バージョンアップ時の互換性検証が発生します。クラウド型でも、フローの設計、修正、精度改善に工数がかかります。

商用利用で確認する項目

「商用利用可」という表示を、すべての利用形態に広げないでください。同じツールでも、使い方によって結論が変わります。

7ツールのライセンス分類図。MIT、Apache改変版、オープンコア、fair-codeの4類型と商用利用範囲

自社の社内業務で使う場合

今回の7ツールでは、社内業務での利用はいずれも問題になりにくい領域です。n8nは公式FAQで社内利用を明確に許可しており、DifyもLICENSEで企業のアプリ開発プラットフォームとしての商用利用を認めています。LangflowはMITライセンスのため、条文上の義務は著作権表示とライセンス文の同梱のみです。

ただしクラウドサービスの場合は、投入するデータの取り扱い条件を別途確認してください。保存期間、学習利用の有無、データ処理契約の締結可否の3点が対象になります。

顧客へ成果物を納品する場合

ツールを使って作った成果物を納品するだけなら、社内利用の延長として扱えるケースが大半です。問題になるのは、ツール自体を顧客環境に構築して運用まで引き受ける場合です。

n8nの公式サポートページは、顧客が自前のインスタンスを立てるのを支援するだけなら商用ライセンスは不要としています。一方、自社インスタンスで顧客のワークフローと認証情報を管理する場合はEnterpriseライセンスが必要です。

顧客向けSaaSへ組み込む場合

ここから条件が急に厳しくなります。

顧客向けSaaSへ組み込む場合の各ツールの扱い

  • n8n:n8nをホスティングしてアクセスに課金する形態は、許可されない例として公式に明記。Embedライセンスが必要
  • Dify:1テナントを1ワークスペースとするマルチテナント環境での運用は、書面での明示的な許可がない限り禁止
  • Zapier Agents:利用規約で、非ユーザーへのアクセス提供と、他者向けのホスティング・マネージドサービス提供が禁止
  • Activepieces:MIT部分は再販を含めて許諾されるが、Embed機能は有料エディション限定

ロゴ削除・ホワイトラベルで提供する場合

ホワイトラベルは、ほぼすべてのツールで有料または要許可です。

ツール別に見たホワイトラベルの扱い
ツールホワイトラベルの扱い
Difyフロントエンドのロゴ・著作権表示の削除と改変は禁止(商用ライセンスが必要)
ActivepiecesCustom BrandingとEmbed SDKは有料エディション(価格は非公開)
n8nホワイトラベル提供にはEmbedライセンスが必要
Botpressカスタムフッターの設定にPlusプラン以上が必要
LangflowMITのため制限なし。ただし商標の利用は別途確認

※ 2026年7月29日時点の各社公式情報にもとづきます。

表のとおり、無料のまま自社ブランドで提供できるのはLangflowだけです。それも商標の扱いは別に確認する必要があります。

LLM・プラグイン・接続先の規約も確認する

OSS本体の商用利用が認められていても、接続するLLM、プラグイン、テンプレート、画像やデータ、外部SaaSの規約は別です。たとえばLangflowはMITですが、接続先のOpenAIやAnthropicの利用規約はそれぞれ独立して適用されます。

顧客向け提供や再販を行う前に、利用形態を具体化したうえで、経路上のすべてのサービスの規約を確認してください。

なお本記事は、ライセンス条項の内容を公式の記載にもとづいて整理したものであり、法的助言ではありません。実際の判断は、利用形態を具体化したうえで各社の公式規約を確認し、必要に応じて法務担当者や弁護士へご相談ください。n8nはライセンスの照会窓口を公開しています。

無料AIエージェントを安全に試す手順

いきなり本番業務へ投入すると、想定外の課金や情報漏えいにつながります。次の6ステップで進めてください。

無料AIエージェントを安全に試す6ステップの図。業務選定から2ツール比較、費用記録、本番評価まで

1

個人情報を含まない業務を1つ選ぶ

STEP1
最初の検証対象は、失敗しても実害がない業務に限定します。社内向けFAQの回答生成、公開情報の要約、定型的な分類やタグ付けなどが適しています。顧客の個人情報、契約情報、未公開の財務データは対象にしません。
2

同じ業務を2ツールで試す

STEP2
1つのツールだけ触ると、それが良いのか悪いのか判断できません。同じ業務を2つのツールで組むと、設計の癖、精度、必要な工数の差がはっきり見えます。ノーコード寄りならDifyとActivepieces、開発者向けならLangflowとn8n、SaaS連携ならZapier AgentsとMake AI Agentsという組み合わせが考えられます。
3

実行上限・追加費用を記録する

STEP3
1回の実行で消費したクレジットやアクティビティ数、100回実行した場合の想定消費量、モデルAPIの実費、無料枠を使い切るまでの日数の4点を記録します。Zapier Agentsは無料プランでテスト実行も数えられるため検証だけで枠を消費し、Makeは換算レートが非公開なので実測するしかありません。
4

誤操作を防ぐ承認を設定する

STEP4
AIエージェントは外部サービスに対して実際の操作を行えます。ここが最大のリスクになるため、承認の設定を先に済ませます。
5

精度・工数・費用を比較する

STEP5
次に示す3つの軸で、2ツールの結果を並べて評価します。精度は高いが構築に3日かかったツールと、精度はやや劣るが1時間で組めたツールでは、業務によって適切な選択が変わります。
6

本番導入なら有料法人版を再評価する

STEP6
無料枠で有効性が確認できたら、本番要件で改めて評価します。SSO、監査ログ、権限管理、SLA、データ処理契約が必要かを確認してください。今回の7ツールでは、これらの多くが有料版やEnterprise版の機能です。

FEATURES

STEP5で比較する3つの軸

精度

期待した出力になった割合と、手戻りが発生した頻度

工数

構築にかかった時間と、その後の修正に要する時間

費用

100回実行した場合のモデル費と、無料枠を超えた場合の月額

STEP4の承認設定については、実行前に次の点を必ず押さえてください。

検証を始める前の安全確認

手順とは別に、アカウントとデータの扱いで先に決めておくことがあります。

検証開始前のチェック項目

  • APIキーをソースコードや公開テンプレートに保存しない。環境変数または各ツールの認証情報管理機能を使う
  • 顧客データを無料プランへ投入する前に、データ処理契約の締結可否と保存条件を確認する
  • 検証用のアカウントと本番アカウントを分ける
  • 無料枠の上限到達時の挙動が停止なのか自動課金なのかを事前に確認する

最後の項目はとくに重要です。BotpressのAuto Rechargeのように、設定次第で自動的に課金が発生する機能があります。

よくある質問

検討の途中でつまずきやすい点を、8つの質問にまとめました。無料枠の条件は変更頻度が高いため、契約前には各社の公式情報をご確認ください。

FAQ

無料AIエージェントに関するよくある質問

ツールの利用料が0円でも、ほとんどの場合はモデルAPI料金が別途発生します。セルフホストならサーバー代も必要です。完全無料で成立するのは、提供元のAIクレジット内に収まる範囲か、自宅や社内の既存サーバーで動かせる場合に限られます。

無料枠は小規模な検証に限定して使う

7ツールを同じ軸で比較した結論は、無料枠をこの業務にAIエージェントが有効かどうかを確かめる道具と位置づけることです。無料の表示だけでは判断できません。上限の単位がメッセージ数なのかフロー数なのかクレジットなのか、モデルAPIを誰が負担するのか、商用利用がどこまで許されるのかを確認してから着手してください。

この記事の要点

  • 「無料」には4種類あり、費用の発生源が種類ごとに違う
  • 上限の単位を読み違えると、想定の何分の一しか使えない
  • Zapier Agentsのアクティビティ、Makeのクレジット、Botpressの受信メッセージは直感より早く消費される
  • 社内利用は可でも、顧客提供とホワイトラベルは追加ライセンスが必要なツールが大半
  • 無料枠のまま本番運用できるケースは限られ、SSOや監査ログは有料版の機能

無料枠のまま進めてよい条件

  • 扱うデータに個人情報や機密情報が含まれない
  • 実行頻度が低く、無料枠の上限に届かない
  • 停止しても業務が止まらない補助的な処理である
  • 自社の社内業務に閉じた利用である

有料版へ移る判断をする条件

  • 顧客対応など、停止が許されない処理に使う
  • SSO、監査ログ、権限管理の要件がある
  • データ処理契約の締結が必要である
  • 顧客へ提供する、または再販する形態になる

次に取るべき行動は1つです。個人情報を含まない業務を1つ選び、候補2ツールで同じ処理を組んでみてください。1回の実行でどれだけ消費するかが分かれば、月あたりの必要量と有料版へ移る時期が具体的な数字で見えてきます。

SSO、監査ログ、権限管理、SLA、データ処理契約が必要になった時点で、比較の対象は有料の法人向けサービスへ移ります。その段階では、本記事の前半で挙げた法人向けサービスの比較記事へ進んでください。無料枠は本番運用の代わりにはなりませんが、判断材料を最短で集める道具にはなります。